プロローグ

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そんな世界では、某学園都市のように科学と魔術が交差している訳がなく、魔術や魔法などと呼ばれる物も存在していない・・・・・・筈なのだが、 上空・・・雲の上に、人が余裕で乗れる程、大きな魔法陣が展開される。そして、空間が歪み、空間が裂ける。 その空間の裂け目から、2、3歳位の蒼髪蒼眼の子ども、黒髪赤眼の女性が現れた。 裂け目から現れた二人は、裂け目から飛び出し、魔法陣の上に着地した。 女性「・・・無事、到着したようですね『裕』」 魔法陣の上に着地した女性が、自身の横に立つ子ども『蒼月裕』に話し掛ける。 裕は、隣に居る女性に顔を向け、 裕「だな。取り合えず、人目に付かないよう、上空に空間を繋げたんだけど、・・・寒いな。『美咲』、大丈夫か?」 ・・・2、3歳位の容姿をしている裕の口からは、年不相応の言葉が。 実は、この蒼月裕。見た目は小さな子どもなのだが、実年齢は二十代なのである。 裕の本来の姿は、青年の姿をしていたのだが、肉体だけが少年の姿に若返っているのである。 そんな裕は、隣に居る女性『美咲』を心配していた。 美咲「ふふっ、心配してくれてありがとうございます。でも、大丈夫ですよ。・・・こうすれば、暖かいですから。」 裕の気遣いに、美咲は嬉しそうに笑いながら裕を抱き上げ、そのまま裕を抱き締める。その拍子に、裕の顔が美咲の胸に埋まっていた。 裕「あの、美咲さん?俺、こんな形(ナリ)してるけど、実年齢は二十代なのよ?・・・だから、離してくんね?」 美咲に抱き締められた状態のまま、裕は美咲の目を見つめながら話し掛ける。 美咲「今更何を言ってるんですか?これまで、私達は・・・・・・色んな事をしてるんですよ?////」 美咲は頬を赤らめながら、抱き締める力を強める。 裕「いやまぁ、確かに色々やったけどさ。・・・恥ずかしい物は恥ずかしいんだよ。」 美咲「そうですか。・・・分かりました。その代わり、今日は覚悟してくださいね。」 そう言いながら、美咲は裕を魔法陣に降ろす。 裕「りょ、了解。・・・今日は、寝るの遅くなりそうだな。」 降ろされた裕は、小さく息を吐いた。
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