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美咲「裕、これは何をしているんですか?」
裕のしている作業が気になる美咲は、裕の背中に抱き着きながらパソコンのディスプレイを覗き見る。
裕「この町の、区役所のデータベースにアクセスして、俺達の戸籍を偽造してる。」
美咲「戸籍を偽造って、思いっきり犯罪じゃないですか。」
裕「仕方ないだろ?ファンタジーな世界とかなら、戸籍が無くても何とか生活出来るかもだけど、地球だと戸籍無しで生活出来ないんだから。それに、海鳴市でも皆の戸籍を改竄してるんだから」
美咲「・・・分かりました。今回の事は目を瞑りましょう。」
そう言って美咲は溜め息を吐いて、裕の背中に顔を埋める。
そんな美咲の様子に、裕はクスクス笑いながらも作業を続ける。暫くして、裕のハッキングも終了し、
裕「うぅぅ~ん、終わった終わった。」
首を動かしながら呟く。そして、パソコンに差し込んでいた端末をポケットに入れる。
裕「後は、不動産とかに行って住む場所を確保して、生活必需品とかも買いに行かないとな。・・・神姫を買うのは、まだ先の話か。」
美咲「大丈夫です。私達には時間が一杯あるんですから、ゆっくりとこの世界で生活しましょう。」
裕「・・・・・・だな。ここで何年滞在したとしても、向こうに帰った時は2、3時間位しか経ってないようになってるからな。」
そう言いながら裕は、美咲の頭を撫でる。
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~数日後~
裕がハッキングをした日から数日が経過した。数日の間に裕と美咲は、住む場所(二階建ての一軒家)を購入し、生活必需品も購入した。
裕と美咲は、購入した家のリビングで寛いでいた。
美咲「そう言えば裕、ここ数日で色々と購入しましたけど、お金の方はどうやって・・・。」
ソファーに座っていた美咲が、隣に座っている裕に質問する。
裕「この世界の紙幣や硬貨は、俺の手元にあったのと同じだったから、それを使ったんだ。」
美咲の質問に裕は答える。そして、テレビのリモコンでテレビの電源を入れる。
美咲「そうでしたか。・・・ですが、裕。よくこの家を買えましたね。・・・家一軒と言えば、額もスゴいんじゃ。」
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