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予鈴が鳴ると同時に、自席に座った真哉。
隣の席に座っていた陽介が、真哉の袖を引っ張った。
「ん?」
真哉が陽介の方を向くと同時に、担任が教室に入ってきた。それに気付いた陽介は、短く「後で相談がある」とだけ言って、前に向き直った。
今のうちに聞いておこうとは思わなかった。担任が自分がしゃべっている時に人にしゃべられることを極度に嫌うからだ。
結局SHRが長引き、おまけに金曜日の午前中というのは全ての授業が移動教室なので、陽介の相談というのは、昼休みまで持ち越されることになってしまった。
「で?相談って何?」
弁当を出しながら、真哉は聞いた。
「まず食ってからにしないか?あんまり、食事中に話すことじゃないと思うんだ」
陽介らしからぬ言葉に真哉は首を傾げた。
「そんなことなのか……?まぁ、いい。それなら、とっとと食べてしまおうぜ」
真哉はそういうと、弁当に箸をつけた。
ところが、陽介は食べようとしない。
「どうした?」
真哉はすぐにそれに気がついた。
「食えないぐらいなら……食う前に話してくれよ……気まずいだろ」
深刻な悩みであることは、真哉も察しがついていた。
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