序之巻【戦乱の幕開け】

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乱世に響き渡る魂の声。 静かに、或いは一瞬で終わる命。 刃が交る金属音。 天下統一を目指し、狙い、志す猛者達が血の華を咲かす戦国時代の真っ只中。 今、隻眼の武将率いる軍と、その武将の得物を奪わんと奇襲を仕掛けた乱世の渠雄率いる軍が壮絶な戦を繰り広げていた。 「うぉおおおおッッ!!Phantom dive!」 雄叫びを上げ技を繰り出す若き武将の名は、奥州筆頭、伊達政宗。 他の軍勢から独眼竜と恐れられ、東北の奥州を治めている戦国大名である。 越後の軍神、上杉謙信と相対する甲斐の虎、武田信玄に仕える真田幸村と互角に戦う豪傑で、二刀流ならぬ六刀流(六爪)を得意としている。 「君も諦めが悪いな、独眼竜。大人しく竜の爪を譲り渡せば良いだけの話だろう?」 「黙れッ!この刀は俺の血や肉で、魂でもあんだよ!テメェみてえなどす黒ぇ悪党に穢されてたまるか!!」 「ククク…ッ。いいねぇその目。私が求める憎悪の色と同じだ」 そう薄笑いを浮かべる武将の名は、乱世の渠雄、松永久秀。 日の本の数多の地方を侵略してきた武将で、手に入れるためなら手段を選ばないその卑劣さから乱世の渠雄と呼ばれ、忌み嫌われている悪党であった。 第六天魔王と恐れられた織田信長を腹心であった明智光秀、当時の天海に甦らせ、手を組んでいた事もある。 軽くあしらわれている上、挑発的な台詞を吐く久秀に政宗は怒りを覚える。 一閃、また一閃と六爪を閃かせても、久秀は余裕な態度を崩さずにかわしていく。 「くそッ…、このッ!!」
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