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コプトンの街に歩いて戻る頃には 陽も完全に落ちていた。
飛べばすぐだが?と提案したルイシュタインに少女は一瞬考えて首を横に振った。
それがルイシュタインの本来の優しさ、と解っていて敢えてそうしたのである。
天涯孤独の身、それに加えて「誰かを信じる」事を条件反射的に恐れて来た過去。
危機を救ってもらった特殊な状況とはいえ、出逢ったばかりの青年に何故か心を許した自分に戸惑いを感じていた。
帰り途は青年と少しでも話をして心の中の疑問を払拭したかった為、3時間の道のりを歩いたのである。
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