act 2 - with -

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 小さな子どもからならば、純粋な疑問として片付けられるかもしれない。  しかしそこそこ年長の子ども達―少しばかりの嫉妬と悪意を込めた好奇心―から姿と瞳の色を指摘される。  その上、特待制度で入った学校ではその綺麗な容姿と左右で違う瞳の色に同級生や教員達までもが好奇心や羨望、そして畏れを抱き。 そのことを我が子から聞いた親たちは彼女を'魔女ではないのか?'と根拠のない心配を始めてしまったのである。 「シスター……私はこのまま学校に通っていてもいいのでしょうか」  様々な人の色々な感情が入り乱れた結果……おのずと無表情を装うようになった少女がある日、ただそれだけをシスター・メイに呟いた。 「リリア。貴女は強い子ね……本当は苛められているのでしょう?」
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