8人が本棚に入れています
本棚に追加
結論から言えば最後の一人もなんなく熨し、テンガロンハットを被り直してからため息をついて独り言のように呟く。
「任務を完了しました。彼らを本部へ転送完了次第、帰還します」
その言葉を待っていたかのように、彼の耳に付けられた通信装置からノイズ混じりの男性の声が漏れる。
『……俺だ。ヴィンフリート。お前から西に20歩、北に51歩進んだところに妙な反応がある。調査を頼む』
【レッグス】。それは今彼らが追いかけているESP犯罪者集団。ESPとは所謂超能力者のことで、突然変異や人工的に普通では有り得ない能力を持った人間のことである。
最近はルーンベル社という会社がESP研究に力を入れはじめ、その数は増え続けていた。
人間が開花させた新たな力、と呼べば聞こえはいいが強すぎる力はそうそう上手く使われないものだ。
すぐにESPを使った犯罪が起き始め、【レッグス】のように徒党を組み活動し始めた。
厄介なことに【レッグス】の超能力者達は大企業の裏で糸を引き、日夜暗躍している。
その【レッグス】をはじめとする超能力者集団に立ち向かうべく結成されたのが各国政府におかれた秘密組織【超能力犯罪者集団対策室】である――。
最初のコメントを投稿しよう!