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「じゃ、借りて行くわよ!」
「約束破ったら、二度とゆうちゃんに逢わせないからね」
「おーほほほ!この私がそんなヘマをすると思って!」
「美智子ちゃんだからやりそうなんじゃない。
そういう事だから、宜しくね!ゆうちゃん」
「え!あの、え?どこに?」
学校が冬休みに入り、少し早めにお店に来た俺を待っていたのは…
満面な笑みの美智子さんだった。
いきなり俺の手を引いてお店を出ようとするから、慌ててママさんを振り返ると…
何故かこちらも、満面な笑みで手を振っていた。
「いってらっしゃーい!」
…という声が、
俺には逝って…に聞こえてしまったけど。
お店の前に停めてあった真っ赤なスポーツカーに押し込められて、気づいたら走りだしていた。
というか…
この車、美智子さんのだったんだ。
「…あの…何処に行くんですか?」
「ついてからのお楽しみよー!おーほほほ!」
俺の肩をバシバシ叩きながら、はるかに制限速度をオーバーして…
…俺、生きて帰れるかな。
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