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「あら、着てくればよかったじゃない」
「だから俺、男ですって」
「大丈夫よ。ゆうちゃんなら女の子に見えるから」
「…なんか貶されてる気が」
「あら、誉めたのよ?」
ママさんにさっきの事を言うと、何故か鼻息荒くきゃっきゃっ悶えていた。
何となく離れたのは、本能かも知れない。
「柚茉ちゃん、貴方来週いつから学校休み?」
「今週で終わりですけど…?」
「加那、ちょっと借りていいかしら」
「事と場合と萌えによるわね。クリスマスはうちも忙しいんだから」
カウンターでカクテルを呑みながら電話で話していた美智子さんが、今度はママさんと何か話し出したからテーブルを片付けにその場を離れた。
何だかんだと仲のいい2人。
大輔さん曰く、似た者同士だからとも言えるけど俺にはそれが…
少し羨ましかった。
親戚とは昔から疎遠だった俺が、唯一心を許せた従兄弟のお兄ちゃん。
もう…10年ぐらい逢ってないけど、唯一俺を可愛がってくれた。
優しくて格好よくて、俺の理想のお兄ちゃん。
いつか、また逢えたら…
お兄ちゃんと
また
笑いあえるのかな…
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