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ピーンポーンパーンポーン
聞き慣れた効果音も待ちわびた授業の終了の合図となれば特別だ。
「姿勢!礼!」
「「さようなら」」
授業が終わったが、私の学校というものは終わっていない。
「響子~今日も図書室行く訳?」
と少し不満げに話し掛けてきたのは同じクラスで私の親友の松田遥。
「うん。いつも通りじゃない。宿題して日本史の本を読むの…!」
「あんたときたら、曇ったビン底メガネに歴史オタクときて…」
そう愚痴りながらも図書室にトコトコと向かう。
彼が目当てだろう…
「やあ、遥ちゃん。」
「お疲れ様でーす、巽先輩!」
「相変わらずだねー」
彼の名前は新城巽先輩。イケメンだしスポーツ万能だし社交的!女性から絶大な人気を誇る。
彼は図書委員に欠員が出たときに当番で来ているのだが、それ目当てに遥は通っている。
野口英彦という幼なじみがいるのに…ねっ
響子は、巽に目もくれず本棚に直行する。
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