壱-闇に紛れる者-

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「今回はどうだったの?」 〝通常通り。と言いたいところだが・・・増えている〝 緋紗奈は後ろを泳いでいた紅夜に問いかける。 両者とも険しい顔で目を合わせることなく会話する。 「そう・・・」 溜め息をつくと味噌汁の具が入った鍋の中に味噌を溶かす。 〝遅かれ早かれ、と言ったところだな〝 紅夜はふよふよと壁に設置されているツボの中に入る。 忍び魚の巣はツボなどの暗くて落ち着くところが理想である。 〝まだ緋蘭には早い。では我は少し休む〝 そう言うと紅夜はツボの中の闇に溶けていった。
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