分身

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聞き飽きたチャイム音が鳴り、体育館に徴収されそこからは欠伸の出るような校長の話を聞いた。 それからどの先生がどのクラスを持つかの発表が始まる。 あらかた自分のクラスの担任が誰になったかが分かった時、ついに大欠伸を漏らす。 周辺の数人が目線を俺に向ける。 頭を軽く下げ左腕の手の平を小さく上げ音の無い謝罪をした後痛々しい視線は無くなった。 新たな学年の始まりを意味する式典は一通り終わり、三年生、一年生、二年生の順に体育館を後にする。 HRに戻ってからは担任が今年の抱負なるものを言い、言い終えてから結局何が言いたかったんだという結論に落ち着き、不器用な人なんだなと自分の中に答えが出た。 名簿順に自己紹介が始まる。 名前、前のクラスは何所だったか、今年一年よろしく、この流れをクラスの連中が様々なトーンでいい終えていく。 自分の前の席の男がウケを狙って言った事が予想外にウケず冷ややかな空気の充満する教室で俺は当たり障りの無い無難な返事を言って席に座る。 後ろ二人もそんな面白みの無いことを言い自己紹介は終わる。 それから担任が思い出したかのように配り物を取り出し慌てて配り始める。 各列の最後尾の生徒らが「一枚多いです」や「一枚足りません」なり口々にして担任は益々焦る。 そんな担任の様子を見て、微笑ましい笑が起こりその日は終了した。
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