story1

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教室の扉を開けても、まだ誰も居なかった。まだ、7時10分を少し過ぎたばかりなので、当たり前なんだけれど。 そのまま教室に入って自分の席に向かった。 窓際の一番後ろ。それはくじ引きで決まった僕の席だ。 日当たりが良くて、開いた窓から心地よい風が入ってくる。何気に空がよく見えるのも、この席の気に入っているポイントだ。 そんな席を引き当てた自分のくじ運に感謝しながら、椅子を引いた。 数日後に控えた、前期中間テスト。不安な教科は皆一通りやったけれど、やっぱり、何度もやらないと不安で仕方がない。 机の上に教科書を広げ、僕はテスト勉強を始めた。 20分たった頃だろうか。 ふと、集中が途切れ続けようとしたけれど、完全に途切れてしまった。 シャーペンを放り出し、ふぅ、と息を吐く。 それからぼーっと、書いたニーとを眺めていたら、突然教室の扉が開いた。 「あっ………。」 「星。」 扉から覗いた顔は、同じクラスの桜庭さんだった。 僕に気付いた桜庭さんがこっちにやって来る。
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