story1

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ピピピッピピピッ アラームを止めて軽く伸びをする。 それから、大きく息を吸い込んで吐き出す。これを二回繰り返した。 それから、90°回転してしまっている掛け布団を剥ぎ取ってベッドから降りた。 共有スペースに行くと、同居者は既に行ってしまっているらしく、誰もいなかった。 これ幸いと、いつもは同居者に合わせスッ○リになっているニュース番組をめ○ざしに変え、昨日の夜に作り置きをしていた、 胡瓜の佃煮をおかずにご飯を二杯たいらげた。 ―――今日は一日、いいお天気になるでしょう――― テレビの中で、綺麗なお姉さんがとてもいい笑顔で一日の天気を告げていた。 鞄の中身は前日に確認済み。 玄関の前にある、そこそこ大きな姿見の前でネクタイを締めて、部屋を出 「おっとっと。」 靴を履きかけて止め、共有スペースに戻る。 つけっぱなしのまま、流れていたニュースを暫し眺めた後に、テレビの電源を消した。 ……昨日、カワウソが元気な赤ちゃんを産んだらしい。 今日は朝から幸先のいいニュースが聞けて、なんだか気分がいい。 「本日は晴天也、と。」 今日はなんだか、いい事がありそうな気がする。
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