story1

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僕を呼びとめた先生について行き、資料運びプラス資料室の片づけ―――これは僕が自主的にしたことなんだけれど…―――を終わらせたのは、実に昼休み終了の15分前の事だった。 既に先生はいなくて、教室を出て鍵を閉める。そして、鍵を職員室へ…とやって、昼休み終了10分前。これはもう、どうしようもない。 昼ご飯を素直に諦め、自分の教室へ向かう。確か、午後一番で移動教室だったはずだ。 無駄に長い階段を登り切れば、既に息切れしていて苦笑した。ちょっと体力なさすぎる。 階段のそばで息を整えていた時、その、集団はやって来た。 「―――でさ、そいつなんか訳わかんないこと言ってるからさ、俺、文句があるなら本人に言えって言ったの!で、―――」 僕が登ってきた階段を5、6人の集団が登って来る。 その中に、声の大きいのが一人。まだ姿も見えていないうちから、話の内容がはっきりわかる。 周りも何か言っているみたいだけど、そっちの方はよく聞こえない。多分、こっちが普通なんだろうけれど。 そして、階段の中間地点で曲がりその姿がようやく見えた。 (―――うわぁ……) その集団の一人に、自然に目がいった。いや、奪われた…と言った方がいいかもしれない。 その人は、周りより背が頭一つ分低く、それでも目が奪われたのは、その人物が綺麗な金髪だったからかもしれない。 (…外人さん…かな……) 「―――九条、かっけえ、っていうか怖いもの知らず?でも、九条の言う通りだよなぁ。あいつら本当調子乗りすぎだっつうの。」 「だよな。」 そこまで近くなれば、周りの声もよく聞こえていて、どうやらなにかの集団の事を言っているらしいけれど、僕はその人物にまだ目が奪われていた。 金髪である、というだけではない。その人はとても、綺麗だった。整った顔で、黒ぶち眼鏡をかけているが、それがとてもよく似合っている。同じメガネでも、僕とは大違いだ。 「邪魔。」 「えっ、あっごめ」 集団の一人に邪魔くさげに言われて、やっと僕が階段のど真ん中に突っ立ったままだったのを思い出し、急いで端によけた。
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