story1

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そのそばを、5、6人の集団が通り過ぎていく。けれどいくら端に避けたからと言って、階段のスペースなんてたかが知れていて。集団のうちの一人……よりによって、その金髪の男子生徒が僕にぶつかってしまった。 「あ、悪い」 それは、ほんの、一瞬の出来事。 一瞬、こちらを見た、その顔が。 (……うわ…うわ…うわぁ……) あまりにも綺麗で、僕は声を出すことが出来なかった。 瞳の色は茶色だったから、やっぱり神を染めてるんだ。なのに似合ってる。なんでかな。 ああ、そうか。彼の肌がすごく白かったからだ。まるで、雪のように綺麗で。 それにすごくいい香りだった。柔軟剤の香りなのか、香水なのかはわからないけど何故かすごくいい香りで。 そこまで考えて、思わず顔が真っ赤になった。 「何考えてるんだ僕は!」 同姓相手にこんなことを考えるなんて、と頭を抱えて悶絶する。 そばを通り過ぎる生徒が、変な物を見るような目でこちらを見ていくが、生憎僕は気付かない。 何がいい匂いだ!変態か僕は……。 さっきの思考に悶々としていると、唐突に声がかかった。 それは、昼休みに声をかけた佐藤先生で。 「星、何やってるんだこんなところで。授業はじまってるぞ。」 しまった………。
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