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『……俺は無事だよ。でも途中でグロい物見たな』
そう入力すると、暁の顔は下を向いた。
『……何ガ言イタインダ?』
暁は少し躊躇いながらもそう言葉を発した。
『俺が見た死体がこっちの世界でも発見されている。しかも、全く同じ状態でだ。……どういうことなんだ?』
暁の顔は下を向いたまま、俺の言葉を一語一語しっかり聞いていた。
『ソレハ……コノゲームノ本登録ヲ済マセタ時点デ命ガコチラ側ニ預ケラレタカラダ。主従関係ノオ前ト私ノ命ハ連結シテイル。オ前ガ死ネバ私ハ死ヌ。シカシ、私ガドンナニ傷付イテモ、オ前ガ死ヌコトハナイ。オ前ガコノゲームヲ放棄シナイ限リ、私ハオ前ヲ守リ続ケル義務ガアル』
暁は仏像の墓石の肩に座って、仏像の頭を撫でた。
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