玩具の死因

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   そして彼女がキッチンに立っている間に、俺はまたパソコンに向き直した。       『hell』        カチッ        とうとう入獄してしまったその先に待ち構えている物……それは俺が知る術もなかった。        黒いページから中に入っても再び黒いページだった。  しかし、先程の黒いページとは打って変わって、赤文字が五月繩いくらいに舞っている。        規約を示すリンクだけで5つ。  メールにも書いていたが、相当な数なのではないかと思う。  見ず知らずの地に着いたらそこに従う。郷に従えというやつだ。ネット界以外でも大切なこと。        俺は5つのリンクの内、一番上にあったリンクをクリックした。            カチッ            聞き慣れた機械音に、何故か違和を感じたが、気にせず表示されたページに目を通す。        そのページに表示されていただけでも規約は20条。    1つ1つ覚えていかなければならないとなると、少々辛いものがある。    俺は各々要点を絞り近くにあった小さな紙にメモをした。            やっと3つ目のページをメモにしたという時。  キッチンから久彩子が俺を呼ぶ声を聞いた。        
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