玩具の死因

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  「ご飯出来たよー」  気が付かなかったがどうやらあれから30分以上経っていたらしい。  俺は少し戸惑いながら返事をする。 「あと30分待ってくれないか?」  そう言う間も俺は必死でメモを続ける。 「それじゃあ冷めちゃうでしょ」  キッチンから飽きれ声が聞こえる。  ……不本意だが仕方ない。  俺は使っていたパソコンがノートパソコンだということを良いことに、ダイニングにそれを持っていった。 「まだ課題終わってないの?」  上手く勘違いをしてくれているようだ。俺は頷く。 「友達の課題手伝ってたら自分の方に回んなくて……本当参るよ」  向かい側に座る久彩子に悪いと思いながらも食事を摂りながらメモを取る高度な技を披露した。  勿論、喜ばれはしない。  
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