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「則子ちゃん、掃除が終わったらかま焚きの方をお願いね。」
「はーい。」
奥の居間から、おかみさんの声が聞こえてきました。
フロ屋さんの脱衣場の掃除を終えたアタシは、かま焚きの仕事に取りかかりました。
フロ屋さんのかまどにて…
アタシは、かま焚きにつかうタキギを小さなオノで半分に割っていました。
タキギをオノで半分に割った後、かま焚きの支度をしまして、お風呂をわかし始めました。
フロ屋さんが営業を開始する午後３時までに、フロを沸かさなければなりませんので、かま焚き番をしていました。
午後３時、フロ屋さんが営業を始めました。
この時間帯は、夜のお勤めをしているホステスさんやホストさんなどがやってきました。
「おかみさん、こんにちは。」
「いらっしゃい…今からお勤めなの。」
「ええ。」
「300円よ。」
「はい、おかみさん。」
「まいどあり。」
「おかみさん、タオルとせっけんちょうだい。」
「合わせて150円よ。」
番台に座っているおかみさんは、フロ屋さんにやってきましたお客様の相手をしていました。
町のフロ屋さんは、夜のお勤めをしているホステスさんやホストさんたちの他にも、会社帰りのサラリーマンやOLさんに、近所のおなじみさんなど、たくさんのお客様でにぎわっていました。
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