銀色の雨

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アタシの名前は則子… 15歳でありますが、アタシは四国の波止浜の中学校を進路が未定のまま卒業した後、しまなみ海道を越えて電車を乗り継いで東京にやって来まして、武蔵野市吉祥寺南町2丁目にある町のフロ屋さんにて、住み込みでお手伝いさんをしていました。 幼い頃から中学生までの間は、波止浜の母子保護施設で過ごしていた上に、母親が不在の状態が長く続きましたので、本当の愛を知らないまま育ちました。 アタシは、東京吉祥寺の町のフロ屋さんでお手伝いさんをしていますが、いずれは定時制または、通信制の高校に入学して、働きながら学んで、高校卒業の資格を取ることを条件として、アタシは働いていました。 おかみさんは、最低でも高校は卒業した方がいいよといつもおっしゃられていましたので、いつかは高校に行きたいとアタシは思っていました。
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