気がつけば君一色

出会い

(…え)

声がした方を見ると、高級ブランドのスーツを身にまとった男、後ろには…ボディーガードだろうか。サングラスを掛けた数人の体格のいい男がいる

顔は暗くてよく見えない

しかし、格好をパッとみただけで、普通じゃないことだけは分かる

加奈達の会話を遮ったのは、その先頭にいる男のようだ

｢なっ…なんだよぅ!ぼっ…僕達に何かようかい？｣

後ろの体格のいい男に怖じけづいているのか、少し焦り気味に中年の男は問い掛けた

｢はい。僕はその後ろにいる女性、睦月加奈さんに用事があるんです｣

(えっ、どうして私の名前を…)