番外編2~Happy end~

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「派手に転けたら、どうしよう」 なんて、少し長いドレスを軽く持ち上げながらそんなしょうもない事を考えていた。 ヒールも少し、高いし。 と、突然ドアがノックされた。 誰か、忘れ物でもしたのかな?まだ時間はある……よね? とりあえず私は返事をすると、ドアが開いた。 「瑞希」 そこにいたのは。 「爽汰!どうしたの?」 「待ちきれなくて」 そう言う爽汰は、困ったように笑っていて私は何となく爽汰らしいと思って笑っていた。 爽汰の格好を見ていると、やっぱり実感する。 「私達、結婚するんだね」 「俺とは、やだ?」 「そんな事ないよ。だって、私は爽汰の事大好きだから」 そう言うと、顔を赤くする爽汰。 そんな爽汰を見ていると、私まで顔が赤くなった。 「俺も、瑞希の事大好きだし」 その言葉と同時くらいに、爽汰の顔が近づいた。 そっと目を閉じる。 だけど爽汰は、 「やっぱり止めとく。後でのお楽しみってやつ?」 と言って、いたずらっ子のようにニヤリと笑った。 思わず後退りをする。 「皆の前で、変なことしないでね?」 私の言葉に爽汰は、笑うだけで何も言わない。 「ちょっと!?」 「あ、時間だ」 はぐらかすと、爽汰は部屋から出ていって入り違いに明里さんが入ってきた。 「時間です」 その声を聞いて私が式をあげる場所まで行くのにずっと嫌な予感しかしなかった。
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