出会い

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「今日も雨か…。」 クロは、ボロボロの段ボールの中で呟いた。 「梅雨でも無いのに降るなんて、嫌な予感しかしねぇな…。仕事で疲れてんのによ…。」 クロは猫の中でも、悪魔や化け猫に近い存在である。 行ったら生きては帰れない、通称地獄山に住み着き、自身の山として守っている。 そして、生まれ持った不思議な力で人になったりして、色々な依頼をこなしている。 ――… 「…ん?」 ……ーオ… 何かの鳴き声がする。 こんな山奥で、と不審に思いながら、クロは段ボールから出た。 …ミャ…オ… …ミャーオ ミャーオ 鳴き声が近く聞こえる所にで辺りを見回すと、直径30cm程の段ボールがあった。 「何か中にいるな…」 恐る恐る中を覗いてみると、不思議な柄の子猫がいた。 「弱ってるな…、アイツのとこ行ってなんか食わせるか。」 クロは人になり、子猫の入っている段ボールを抱えて山を降りた。
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