出会い

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「おーい、シロー、いるかー。」 クロは、シロの屋敷の前で叫んだ。 「クロー、こっちだよ!」 足元を見ると、シロが鳴いていた。 シロは普通の猫だが、金持ちに飼われているお嬢様猫だ。 「なぁに?それ。」 シロが段ボールを見て言った。 「あぁ、こいつ、捨て猫らしいぞ。俺の縄張りに捨てられてた。」 「弱ってる……直すから降ろして。」 シロは普通の猫だが、珍しい能力を持っている。 それは、キスした動物の傷を癒すというものだ。 「…よし、もう大丈夫だと思うよ。」 「あぁ、助かった。捨て猫とか捨て犬とか、見捨てられねぇんだよ。」 「…私は、体の傷は治せても、心の傷は治せないから…。もし、この子が人間に傷付けられてたらっ」 「大丈夫大丈夫!まず俺の縄張りに入っても死ななかったって事は、何か不思議な力を持っていて、人間に傷付けられていない証拠だろ?」 シロが言い終わらない内に、クロは言った。 「そうだね…。」と、シロは俯きながら言った。
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