Ⅰ.my NAME.

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「えっと……」 「ウィンドル社のキース・ウィンドルの妹でございます。ウィンク様.」 「ウィンドル様の妹さまでしたか.」 「様付なんて為さらないでください.どうか……リゲル…リゲルとお呼びくださいませ.」 「……良くできた妹様で………では…リゲルとお呼びすることにいたしましょう。お話していただけますか?」 「もちろんです.ダール様.」 「それは良かった.」 「ダール様.御兄様には秘密にして欲しいのです.ダール様を名で呼ぶこと.」 「ぁ、あぁ………」 誰もいない角.カーテンの向こう.私はこの場所が大っ嫌い. ちらっと確認した御兄様は、静かにパイプを吹かしていた. 「綺麗なシルク生地を使っていますね.」 私のドレスを触ってわ、片手に持ったシャンパンを飲む. その姿はまるで警戒心など持たない飼い犬のよう. 「ダール様.お願いがあるのです.」 「ん???」 「ウィンドル社に1000ソヴァリンの支援を.」 「1000ソヴァリン!?ふ、ふざけるな!」 「ダール様………お願いします….」 ドレスからちらつく肌に生唾を飲み込む音が私にまで伝わる. 首に唇を近づけて息が少しかかる程. 撫でる胸のポケットから拳銃をみつけ擦り取る. 「ねぇ.」 「わ、わかったよ!1000ソヴァリンだろ!」 逆の胸ポケットから出てきた小切手に、荒く書かれた1000とヨーク社という文字.
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