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昼休みも終わり、体育のため着替えた北村と俺は外へ向かっていたときだった。
「北村くん!」
澄んだ可愛らしい声が、北村を呼んだ。
呼ばれた北村は振り返る。俺はビシッと直立したまま動けなくなった。金縛りか!?ってくらいに。
「あれ、ちひろ先輩!!
どうしたんですか?」
北村はいつも通り爽やかに話す。その間に俺はギギギッと何とか体を振り返らせた。
『ちひろ先輩』と呼ばれた女子生徒は、誰から見ても美少女と言われる存在だ。俺が通うこの北高でもトップ3には入るだろう。
その『ちひろ先輩』が俺の隣に立つ北村に笑顔を向ける。
「これ、次の議会で必要なプリント。適当に目通しといてねー」
あぁ、クラス議員の…。
ぼんやり頭の片隅で思いながらも、『ちひろ先輩』から目は離せない。
すげぇ…。『ちひろ先輩』がこんな間近にいる…。
北村はもう神だ!
そうとう見ていたみたいで、視線を感じた『ちひろ先輩』が俺に目を向けた。
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