ネクラヤンキー

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教室に入るとドアの近くにいた数人の女子がさっと離れた。 俺は気にすることなく自分の席へ向かう。避けられるのは慣れたもんだ。 「よっ、圭一!」 席に着くと一人の男子が俺の前に立つ。 着崩れのない制服と丸眼鏡で一見地味キャラにも見えるが、こいつはその真逆だと言うことを一ヶ月で嫌というほど実感させられた。 「…おはよう、北村」 自然と肩の力が抜けた。クラスで唯一話せる北村は、俺の親友だ。 『沈んだ顔してるな、お前。もっと青春しろよ若者よ!』 入学式が終わり、教室に入った俺にかけてきた言葉。 なにやらじじ臭い感じがしたが、面白い奴だと思った。 「圭一、今日も落とし物を拾ったのか?」 「見てたのか…」 俺は思わず顔をしかめた。
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