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「ランディ様!」
耳をつんざく高い声が、寝不足の頭に響いた。
オレはベッドの上で布団にくるまり、聞こえない振りを決め込む。
しかし声の主は返事も待たずに寝室に乗り込んでくると、オレから布団を引き剥がし、最近お決まりのセリフを浴びせてきた。
「なぜまた追い返されたのですか。せっかくランディ様の好みの女性を連れて来ましたのに」
「気に入らなかったんだよ」
オレは、これまた決まり文句になりつつあるセリフを返す。
「どこがいけなかったのです。黒髪黒目で痩せ型の、十代後半の女性、探すの大変だったんですよ!」
「あーそー、御苦労さん」
「胸ですか、胸がなかったのがダメなんですか? 贅沢言わないで下さい、痩せてて胸だけ大きいなんて子、滅多に居ないんですからね!」
「そこじゃない。むしろ胸はないほうが……」
オレはもごもご口の中で呟きながら、チラリと横目で彼女を見る。
黒いショートヘアに丸くて大きな黒目、痩せててついでに胸のない、十七歳の女の子。
探さなくても、ここに居るじゃないか。
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