50人が本棚に入れています
本棚に追加
彼はあたしの幼馴染の一之瀬 優太(いちのせ ゆうた)。
あたしが通う事になった全寮制の学校に通う生徒。
ウチの両親から情報を仕入れた優太は、一人ぼっちのあたしをわざわざ迎えに来てくれたのだ。
名前通り優しい少年である。
サラサラの黒い髪、柔らかい笑顔、長身、大きく優しい目・・・・・・。
これだけのルックスがあるから優太は昔からモテる。
モテるくせに地味なあたしに気を遣ってくれる。
幼馴染のよしみであろう。
「何、ボーっとしてんの?
俺の顔に何かついてる?
ハッ!
まさか朝食った海苔がついてるとか!?」
ぼんやりするあたしを見て優太は手鏡を取り出し、自分の口をチェックし始めた。
「何も付いてないじゃないか!」
チェックを終えた優太はあたしに言う。
「あたし、一言も海苔ついてるとかいってないけど?」
あたしは冷静に返す。
「確かにそうだが・・・・・・。
それならそうと、俺が手鏡出した時点で言ってくれればよかったのに~」
ブゥっと優太はふてくされた。
最初のコメントを投稿しよう!