亀川裕香

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……無我夢中で空き教室へ急ぐ。 あそこなら…誰もいない。 誰も来ない。 「……っ……ぅ……もぅ…ヤダ」 私は誰を信じればいいの…? もう、何もかもが嫌だ。 床を這うように教室の端に移動した。 「…私は…どうしたらいいの…」 その時。 ガチャ… 「…!!!!!」 今の音… 扉に近づき、取手に手をかけた。 「………空かない…」 ここは古い作りで中からは開けられないようになってる。 昔、不良生徒を落ち着かせ、閉じ込めるのに活用してたらしい… 遠ざかって行く足音と笑い声が聞こえる。 もう、私にかまわないでよ… ほっといてよ。 いつ、ここから出られるのかな…?
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