~はなしたくない過去~

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『景子…この傷…』 いつもの手つきで素早く縄を解いてくれて、背中を摩りながら言った。 『……聡にぃ……?私が…悪いの…?…私が…ダメな子だから…』 『…景子は何も悪くない…悪い事は何もしてないよ?…だから堂々としてればいい』 『…聡にぃっ!』 聡にぃに私はすがりつく事しか出来なかった。 『…聡にぃは…私の事…好き?』 子供ながらに聞いたんだと思う。 誰かに必要とされたかった。 誰かに愛されたかった 『うん。好きだよ。』 まだこの言葉の意味はわからなかった。
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