ハジマリ

4/21
2517人が本棚に入れています
本棚に追加
/79ページ
喋るなと言われているので副会長さんには悪いが無視させてもらう。 頷くだけでも怒られそうなんでね。 詩和「こいつのことなんてどうでもいいだろ!怜は俺とだけ話してればいいんだ!!」 そう叫んで詩和は副会長さんの腕を自分の方へ引っ張ったかと思うと、次の瞬間には二人の唇が重なっていた。 …………おえ。 人の目の前で何やらかしてんだこいつ。 そんなドヤ顔でこっち見ないでくれますかね、気持ち悪い。 気付いてます? 副会長さんキレそうですよ? 拳が震えてますよー 今にも殴り掛かりそうです。 俺としては全然構わない。 むしろ殺っちゃって。 俺の念力がまた通じたのか、 副会長さんはパンチではなかったものの手刀で詩和を気絶させてくれた。 ナイス副会長。 心の中でグッと親指を立てていると副会長さんが肩に詩和を担いだ状態で俺の方に近付いてきた。 なんだ? 怜「今見たことは忘れてください」 ああ、そういうこと。 俺はコクンと頷いた。 あいつ気絶してるし、これくらいなら大丈夫だろう。 怜「ありがとうございます。それでは行きましょうか」 ニコッとまた胡散臭い笑顔を浮かべて校舎へと歩き出した副会長さんの後ろを少し離れて着いていく。 何でこの人こんな笑い方なんだ? ただの愛想笑いには見えなくて、思わず副会長さんの背中を凝視してしまう。 笑い方下っ手くそだなー… 笑わない俺が言うのも難だけど下手くそだわ。うん。 怜「……なんですか?」 あ、やべ。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!