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「悠里さんと結婚を前提にお付き合いしたいと思ってます」
礼儀正しいその言葉に私はハテナしか浮かばなかった。
ケッコン?
結婚?
ええーっ結婚!
ちょっと待て。
だから恋愛もまともにこの3年してないんだってば!
お母さんが出したと思われるコーヒーを優雅に啜る御影さん。
何をしてても絵になって、見るからに育ちも良さそうな人が一般ピーポーの私と結婚を前提にお付き合い?
なんの冗談だろうか?もしくはドッキリ?
「でもいいんですか?正直母親としては嬉しいんですけど急じゃありませんか?」
そうだ。母ちゃんよく言った!
私はまだ高校生なんだよ。遊びたいんだよ。これから人生を謳歌するんだよ。
「実はこれは僕の事情で、あと1年以内に結婚相手を見つけなければ家督は継がせないというのが父の意向で。誰でもいいというわけじゃないんですが、これから好きになれる相手というのが実は悠里さんしか浮かばなかったんです」
なんじゃそりゃ。
好きじゃなかったんかい。
「それって失礼な話じゃないですかっ。一般庶民だからってバカにしないでもらえますか?」
「馬鹿になんてしてません。これから愛を育むなら君がいいと、僕は父に家督の件を言われた時に思ったんです」
真摯に私を見てくる瞳に私は吸い込まれてしまう。
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