もうね、無理なんだ。

《１》

ﾁｯﾁｯﾁｯﾁｯ

時計の音がなる。

テーブルの上には二人分のハンバーグが用意されている。

時間は22時。
また、か。

勇人はここニヶ月様子が可笑しい。

一ヶ月前はなぜかビデオや写真を撮りたがったし毎日ってくらいデートをした。

かと思ったらここ一ヶ月、日をまたいで帰ってくる。

…嗅ぎなれない匂いを身にまとい。

薄々感づいてはいる。
………浮気されてる…って。

でも信じたくなかった。
勇人が浮気してるなんて。

まだ確かな証拠はないもんね…！

疑っちゃ駄目だよね…？

ちょうど一週間後は僕の誕生日だ。
そのときにハッキリさせよう。

僕は賭にでるよ、勇人。

もし僕の誕生日に帰ってこなかったら僕はここから出て行くね？

僕は勇人の枷にはなりたくないんだ…。

もう冷めきったハンバーグをゴミ箱に捨てる。