もうね、無理なんだ。

《１》

今日は僕も勇人も好きな唐揚げにした。
もしかしたらこれが勇人に食べさせる最後の料理かもしれないと思ったらいつも以上に気合いが入って美味しく出来た。

あ、後少しで17時になる…。
昔はいつもこの時間帯に帰ってｶﾞﾁｬｯ「ただいま。」

!!!!

は、勇人？勇人だよね…？

バタバタと玄関へ向かう。

「お、お帰り、勇人……き、今日は、早かった、ね？」

来てくれた嬉しさで言葉が詰まる。

「あぁ、だって今日お前の誕生日だろ？」

「！覚えててくれたの!?」

嬉しい…嬉しい嬉しい嬉しい！

「まぁ、一応恋人だからな。
とりあえずこれ、プレゼント。」

「わぁありがとう!!」

縦長の箱を受け取り中を開ける。

「？ネックレス？に指輪？」

ネックレスのチェーンに一個の指輪が通ってる。

指輪をみると内側に
RUI♥HAYATO
と付き合った記念日が彫られている。

「は、勇人ｺﾚ……」

「あ？俺とお揃い。いいだろ？」
勇人は無邪気にﾆｼｼと笑う。