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西日で太陽がオレンジ色に染まる頃
三人は図書館から帰宅を始めていた。
「それにしても、まさか周囲からアトラクションとして見られていたとは……。
しかも、図書館の職員からも来週も講演してくださいって頼まれちゃうなんて……。」
「どしたの?おにーちゃん?」
あの後の展開に驚き、頭を悩ませていた翔太にるしふぁは明るく声かける。
「…いや、何でもないよ。」
「そ、そんなに、凄かったんだ。その人達。」
変身解いた千早もずっと苦笑いの表情だ。
その苦笑いの理由は…
「エンゼル・ブルーって人はかっこ良かったよ!ボクもプロレスっていう男らしい格闘技は好きだから!あんなに強い人は大人の男の人でもいないんじゃないかな!?」
想い人が自分の事を褒めてるんだけど微妙に嬉しくない。
(はぁ~~~っ。)
心の中でため息をついた。
「それじゃあ、帰ろうか。
るしふぁー。危ないから手つなぐよー。」
翔太の声にるしふぁは
「はーいっ。」と元気良く右手を出し
翔太の左手とつなぐ。
「…青柳さんも家まで送るよ。
はい。」
翔太が空いた右手を差し出した。
「…え?」
「もうすぐ日も暮れるから、夜道は怖いでしょ?」
千早はその手の意味に理解するのに、たっぷり10秒はかかった。
(ええええええええええええ/////!?)
「あうっ!あっ!そっその…あの……
し、失礼します……////」
千早は耳まで真っ赤にして、恐る恐る自分の左手を乗せる。
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