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千早の前を手をつないだカップルが通り過ぎる。
(いいなぁ…。)
思わず羨望の眼差しで見てしまう。
(好きな人と手を繋ぐってどんな気持ちだろう。
どんな風に幸せなんだろう。
翔太くんが最初の人になったらいいな…
翔太くんは…そういう事ってしたことあるのかな…。
もし、翔太くんの最初の人が私だったら)
「ーーーーッッ!!!」
悶々とし過ぎて
変な妄想が頭の中に取り憑いてしまった。
ブンブンと頭を振って振り払う。
「わ、私ったらはしたない事ばっかり考えて…。」
「あれ?青柳さん??」
「!?」
急に呼ばれて驚きはしたが、この声を聞き間違うハズもない。
反射的に声のした方向に顔を向ける。
「翔太く…」
振り向いた先には想い人
と、その左手に繋がれた幼女。
「ん…。」
ピシャッ!
千早のハートにヒビが入る。
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