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議論好きのヤマダはある日、行きつけの居酒屋で初老の男と知り合った。
様々なジャンルで大好きな議論を吹っ掛けてみるも一向に勝てない。
「お見それしました。貴方は一体何者ですか?」
「ワシか?ワシは論理学の教授じゃよ。」
とうとう降参したヤマダが尋ねると、彼はあっさり自分がプロであることを明かした。
それを聞いたヤマダは懇願した。
「どうか私に、論理学の極意をお教えください!」
「ふむ、良かろう…では、君は犬を飼っておるかね?」
「はい、飼ってます。」
「すると君は、ペットの飼える所に住んでいるわけだ。」
「はい、私は持ち家に住んでます。」
「じゃあ住宅ローンがあるかね?」
「はい、毎月の給料から支払っております。」
「なるほど。」
老人は、ポンと膝を打って続けた。
「すると君は『ニートではない』ということじゃな。これが『論理学』じゃ。」
大いに感動したヤマダは翌日、職場の後輩であるエビハラを捕まえて議論を吹っ掛けた。
「いいかエビハラ、今から論理学を教えてやるからよぉく聞け。」
「えー……」
後輩社員エビハラの迷惑そうな表情をモノともせず、ヤマダは続けた。
「では始めるぞ。お前は犬を飼っているか?」
「飼ってませんけど…」
「なるほど。」
ヤマダはポンと膝を打って続けた。
「お前はニートだ。」
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