終わりと始まり

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光はコロの案内で、M部隊本部の地下訓練場に来ていた。かなり広い真っ白な空間に一人、白い髪の女性が佇んでいる。 「初めまして。オリジナルセブンのシロナです。貴女が巽光さん?」 「あっ…はい!」 あまりの綺麗さに一瞬だけ動作が遅れてしまう。だがシロナは小さく微笑み、咎めようとはしなかった。 「六弦くんから事情は聞いたよ。それなりの覚悟が無いとお兄さん…翔くんを捜す事は出来ない。」 「わかってます。あたしは兄をどこまでも捜す…その為には力がいる。だからあたしはここに居るんです。」 その言葉に、シロナは白銀の瞳を細め、こちらの覚悟を確かめると、大きく頷いた。 「訊くまでも無かったみたいだね。なら、今からテストを始めよう。」 「テスト…ですか?」 「うん。これは入隊前に訓練生と隊員代表が戦う恒例行事でね、私や六弦くん、貴女のお兄さんも受けたテスト。貴女はエネルギーは上級者並だけどまだ粗いから、今回は私、武器無しで戦う。」 「使わせますよ?イヤでもね!!」 光の全身から膨大なエネルギーが溢れだし、三体の巨人を召喚する。日本の神話に登場する三貴神が、光の背後に顕現する。 「いくよ、天照!!月詠!!素戔嗚!!」
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