終わりと始まり

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「どうして…。」 「微量なエネルギーでも、高密度に練り上げれば強度を増す。貴女、今のでどれだけのエネルギーを消費した?」 光は肩で息をしていた。およそ半分、光は今の攻撃にエネルギーを消費していた。絶大な破壊力の筈が、シロナの微量なエネルギーに完封されたのだ。 兄を救う為に手に入れた力。それがこうもあっさりと無効化されてしまう。光は焦っていた。 「貴女はエネルギーだけなら私に充分匹敵してるけど、エネルギーをまだ完璧には操れてない。上手く集中して操ってみて。さっきの半分ほどで倍以上の威力が期待出来る。」 やってみるしかない。今の自分に足りないのは、エネルギーをコントロールする技術。今は少しでもいい。密度を高めるのだ。 光は月詠を呼び寄せ、両手に聖なるエネルギーを溜めていく。集中力が全てを握る。意識を手のひらに集中する。 「集中!!」 光の足元から聖なる輝きが溢れだし、光の両手へ吸い込まれていく。超高密度の光球が形成される。 「月煌衝!!」 「まずい!!」 光の両手から放たれた閃光が瞬時に放射線状に拡散し、一気にシロナを飲み込んだ。
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