一歩ずつ歩きだそう

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自然公園のベンチに腰掛けカイさんと、たこ焼きを一緒に食べながらヘリオス要塞での出来事を順を追って掻い摘んで話していくと僕の中でも少しずつ整理することができた。 「実験室のフラスコねぇ…」 メモ張に視線を落としながらカイさんが呟く。 ギリアムさんが最後に伝えてくれた話が本当ならエルピスは何者かの思惑によって試験的に作られた世界だってことになる。 そして未来を見ることもできたらしいギリアムさんは何者かによって運命[さだめ]られた最悪の未来を見てしまったらしい。 俄には信じがたいけどギリアムさんの強硬は、それが真実だってことを物語っていた。 この真実を知って一人で抱えていたギリアムさんは一体どんな気持ちだったんだろう。
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