家賃三九八とか安すぎね?

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俺、村岡祐一はフリーターだ。 ついこの間田舎から上京してきたばかりで、とりあえずアパートでも探そうかと立ち寄った不動産屋で、 「この辺りで一番安いとこってどんなのがあります?」 と一か八かで聞いてみたら月家賃三九八の、しかも立地条件も良しときた。こんなうまい話って他にあるかよ!? 「住みます!!俺そこに住みます!!」 目の前に落ちている札束を拾わない馬鹿はいない。 俺は不動産屋の職員から契約書をもらい、目を通す。 「にいちゃん上京してきた人?そのアパート、結構ボロいからさ。かなり昔から建ってるみたいで、それでもいいかい?」 「もう全然構わないですよ!!寧ろ俺みたいな貧乏人には楽園ですよ!!」 俺は契約書に名前を書こうと胸ポケットからボールペンを取り出す。 「おっと言い忘れてた。そのアパート、色んな人が契約するんだけど、みんな一週間もたたない内に解約してほしいってくるんだよ。」 「え?」
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