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十月二十七日、日曜日。
革命の日は三日後に迫っている。
診療所で、俺は千好に何もかもをさらけ出した。
隠していた自分の弱さを。
罪を。
真実を。
<学級委員長>だった頃に<工場>で見てきた事を、全て千好に教えておいた。
俺が先に死んでも大丈夫なように。
今日の円卓会議では、千好が騎士団メンバーから落とされそうになった。
バイタリヲンの出現以来、千好は能力を失っていたからだ。
恩字の協力でなんとか阻止したものの、団員達の間には気まずい雰囲気が漂っていた。
「切矢殿、さっき癒奈殿が意識を取り戻したのであります」
背後から断の声が聞こえた。
「なんだと、今すぐ診療所へ向かうぞ」
俺は踵を返し、恩字の診療所へ向かった。
「もう他の団員は集まっておりますぞ。急いで下さい」
「千好は……、千好は来ていたか?」
「いえ、吾輩が診療所に入った時には千好殿の姿はありませんでしたぞ。情報は涙深から伝わっているはずでありますが」
「そうか」
千好はもう、癒奈のことをなんとも思っていないのだろうか。
今日香先輩はもういない。
でもお前達は会えるだろう。
なぜすれ違ってばかりなんだ?
後悔することになるぞ、俺のようにな。
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