-転- ボクは何者に“成るべき”なの?

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   御霊グループのトップ集団、円卓の騎士のメンバーは現在九人。 一人目は俺、御霊切矢。 二人目は灰鶴癒奈。 三人目、提婆断。 四人目、羽楽恩字。 五人目、咎先蔀。 六人目、四門射澄。 七人目、命泉誘音。 八人目、神偶千好。 九人目、仔飼涙深。 あと三人ほどメンバーに加えてもよいが、今のところは該当者なしだ。 俺は団員全員を仲間だと思っている。 誘音には悪いことをしたと思っているが、それも仕方がなかったのだ。 団員だけでなく、御霊グループに集う全ての<不良>、五百人全員を仲間だと思っている。 俺の独りよがりかもしれないが。 そう思われても仕方がないような行動ばかりしてきたからな。 俺はリーダー失格だ。 みんなをまとめ切れなかったのだ。 俺は癒奈を連れて駝宮の丘へと向かった。 他のメンバーをアジトに残して。 駝宮の丘には、バイタリヲンの能力者が眠っている。 駝宮王侮(だみや おうぶ)、五十年前に<セカイ>の一部として封じられた男だ。 額を合わせた人間のAT細胞の活性化率を上昇させる。 それが彼に与えられた能力だ。 王侮は今でも生きている。 丘の上に根を張る一本の大樹と成って。 俺はこの右腕の力で、奴を復活させる。 そして奴の力で癒奈のAT細胞の活性化率を上昇させるのだ。 <セカイ>に閉じ込められた子供達を解放し、脱出するために。 革命の日まで残された時間はあと三日……。
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