初恋

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「はい」 「おぉ!サンキュー」 椎崎は渡したノートに書いてある計算を、いかにも自分で解いたように書き写す。 私と椎崎は同中で、何度か同じクラスになったことがある。 宿題は毎回のようにやってない。 「よし。できた」 忙しそうに動かしていたシャーペンを止めて、自分のノートを満足そうに眺めている椎崎に向かって、「たまには自分でやって来ればいいのに」と、小さく呟いた。 「だって、わかんないから」 笑顔で言う椎崎。 えっ?さっきの聞こえてた? 「…地獄耳ですね」 「お陰さまで」 また吹き出してしまった。 椎崎をみると、椎崎も一緒に笑っていた。
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