初恋

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「あー、眠かった」 次の授業の準備をしていると、菜月が目をこすりながらやって来た。 「広瀬先生、話長いもんね」 「うんうん、奥さんの話とかされても興味ないし!」 …奥さんの話。 そういえば先生の話、全く聞いてなかった。 都田くんに見とれてたから━━━━━ 「ちょっと、どいて」 そう言って菜月を押したのは… 「何よ?椎崎」 椎崎だった。 「ただ押しただけだろ?」 「何!その態度!!」 二人が言い合っているのを私は呆然とみていた。 「はいはい。悪いけどお子さまと遊んでるヒマないんで」 そう言って手をヒラヒラさせる椎崎に 「誰がお子さまだって!?」 顔に怒りマークがついている菜月。 その光景が可笑しくて、 「ははっ!」 つい笑ってしまった。 「笑うな!」 二人が同時に言うので、今度は三人で笑った。
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