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「悪いが俺が先約だ。他をあたってくれ。」
「なに?。」
今にも連れ去られそうだった唄い達をさらりと奪い返して背中に庇った青に、ごろつきたちは目を瞬かせた。
「なんだてめぇ?。」
「彼らには俺の家で歌ってもらうことになっているんだ。」
突然現れた邪魔者に、男たちが怒りもあらわに手に獲物を取り始める。
長い棒や刃物がちらついたが、青はそれを見る風でもなく熊のような男に詫びると、唄い達を連れてその場を後にしようとした。
「まて!。」
当然そうなるわけで、男達はいきり立つ。
背を向けた青に容赦なく切りかかった。
わっと群がった男たちだが、その誰も青に切りかかれた者はおらず、その行方を見届けた者もなかった。
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