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「カリョウビンガ……。」
青と九重の会話にますます身をすくませた二人は平伏したまま震えていた。
「天界に連れ戻せば出世できますよ。望みのままの褒美を取らせるそうですから。」
「……………。」
氷のように冷たく光る九重の深緑色の瞳が黙り込んだ青の横顔を映す。
青はむすっと真一文字に口を引き結んだまま、顔をあげようとしない二人を見ていた。
「…青。」
「罪を犯したように見えるか?。」
「面倒はごめんですよ?。」
「囀るだけの鳥にどんな罪が?。」
「青……天界に引き渡すんです。」
「イヤだ。」
「青!。匿ったことが知れれば僕たちもただでは済まないのですよ?。」
「じゃあ、お前は知らなかったことにしろ。俺が匿う。」
「簡単に言わないでください!。」
「簡単だ。ここから出さなきゃいい。」
「それこそ無理な話です!。」
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