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数回のやり取りの後、オッチャン達は帰って行った。空真が送って行くことになったようだ。
――美依は泣いた後の顔を見られたくないから、落ち着くまでトイレでやり過ごそうとしたんだろう。そしてそれを分かってやれる空真の優しさ。
――何か、悔しい。
美依のことを理解してるつもりだった。美依が助けを必要な時は、兄として駆け付けるつもりだった。
なのに、今美依を苦しめてるのは俺自身だ。
「……本っ当、情けないな、俺」
一人の空間に響いたその言葉は、余計虚しさを増すだけだった。
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